販売図面の帯替えのやり方
レインズやATBBで拾った図面には、元付業者の会社情報が帯として入っています。そのままではお客様に渡せないので、自社の帯に差し替える。これが「帯替え」です。毎日発生する作業なのに、決まったやり方が共有されていない仕事でもあります。手作業の手順と、短縮する方法の両方を書きます。
その前に:許諾を取る
手順より先にこれです。販売図面は元付業者が作った制作物で、写真や間取り図には著作権が及びます。無断で改変して配布すると、著作権上の問題に加えて、商慣習上のトラブルになります。
実務では、多くの元付業者が帯替えを前提に図面を出しています。とはいえ「暗黙の了解」に頼らず、可否と条件を先に確認しておくのが安全です。図面の隅に「帯替え不可」「原本のまま配布」と書かれている場合もあります。
帯に入れる項目
宅地建物取引業法により、広告には取引態様の別を明示する義務があります(第34条)。帯を作るときの最低限はこれです。
| 項目 | 備考 |
|---|---|
| 商号(会社名) | 登記上の商号で |
| 免許証番号 | 「東京都知事(1)第00000号」の形式 |
| 主たる事務所の所在地 | |
| 電話番号 | 問い合わせが実際につながる番号 |
| 取引態様の別 | 宅建業法34条で必須。売主/代理/媒介(仲介) |
| 担当者名・営業時間 | 任意。反響率に効くので入れる会社が多い |
元付業者の帯をそのまま隠して自社の帯を重ねるとき、取引態様が変わる点に注意してください。元付が「売主」でも、あなたが客付なら「媒介」です。ここを写し間違えると法令違反になります。
手順1:PDF編集ソフトを使う(無料でできる)
いちばん一般的なやり方です。無料のPDF編集ソフトで完結します。
- レインズ等から図面PDFをダウンロードする
- PDF編集ソフト(PDF-XChange Editor、Foxit PDF Reader など)で開く
- 元の帯の上に白い矩形を置いて隠す
- その上にテキストボックスで自社情報を打つ、または作っておいた帯の画像を貼る
- 名前を付けて保存
欠点は、毎回やり直しになることです。図面ごとに帯の位置も高さも違うので、矩形の大きさもテキストの位置も都度調整することになります。文字サイズがそろわず、会社によって見た目がばらつくのもここが原因です。
Excelで帯だけ作っておく
会社で帯のテンプレートをExcelで作り、画像として書き出して使い回す方法もあります。文字サイズと配置が固定されるので、担当者ごとのばらつきは減ります。それでも、PDFへ貼る作業は毎回残ります。
手順2:ブラウザだけで済ませる
この作業はパターンが決まっているので、道具に任せられます。マイソクメーカーの帯替えは次の流れです。
- 図面PDF(または画像)をドロップする
- 元の帯の位置と高さを自動で検出し、そこに自社の帯を重ねる
- 色・書体・ロゴ・文字を調整する(20種のテンプレートから選べます)
- PDF・PNGで書き出す
会社情報は一度入れれば次から自動で入ります。帯そのものを保存しておけるので、2枚目以降はドロップして書き出すだけです。
白い矩形の大きさを合わせる、テキストの位置を微調整する、といった作業がなくなります。
FAXで送るとつぶれる問題
業者間ではまだFAXが現役です。ところが、きれいに作った図面ほどFAXで読めなくなります。
理由は、FAXが白と黒の2値しか送れないからです。概要表の薄いグレーの地は網点になって汚れ、細い罫線は消えて表が枠なしになります。カラーで作った帯も、そのまま送ると濃さがつぶれて社名が読めません。
対策は、送る前にFAX用に作り直すことです。薄い罫線は残して少し太らせ、薄いグレーのベタは白に飛ばす。逆向きの処理を同時にかける必要があります。マイソクメーカーには「FAXで送る」という書き出しがあり、この処理を自動でかけます。
よくある質問
- 元付業者に許諾を取らずにやっている会社もあるようですが
- 慣行として黙認されている場面が多いのは事実です。ただし黙認は権利の放棄ではありません。トラブルになったときに守ってくれるのは、事前の確認だけです。
- 帯替えした図面をポータルサイトに載せてよいですか
- 元付業者の許諾に加えて、ポータル側の掲載規約も確認してください。写真の転載を禁じている場合があります。
- 帯の高さはどれくらいが適切ですか
- A4の高さの10〜12%程度が一般的です。小さすぎると免許番号が読めず、大きすぎると物件情報を圧迫します。
- 紙の図面しかない場合は
- スキャンして画像にすれば同じ手順で処理できます。スキャンは300dpi以上にしてください。それ以下だと文字がつぶれます。
関連ページ
※ 本ページは実務の一般的な流れをまとめたものです。個別の案件における許諾の要否や広告表示の適法性は、元付業者および所属先の判断・宅地建物取引士の確認に従ってください。